君の瞳に恋してる
ボーイズ・タウン・ギャング / フランキー・ヴァリ
こんにちは、Ellieです。2020年3月9日。札幌のソウルバーMAYBEの充さんが亡くなって半年が経ちました。
私と主人が札幌に遊びに行くのは年に1~2回。毎回約1週間の滞在で、その期間中は毎晩MAYBEに入り浸っていたものの、それ以外の時は私たちは東京住まいなので、充さんとはそんなにしょっちゅう顔を合わせていたわけではありません。昨年9月に充さんとお別れしてからは忙しくて札幌には行けていません。そのせいなのでしょう。札幌にもう充さんがいないこと、二条市場の小路にもうMAYBEがないことに、未だ実感がわきません。それでも毎日部屋に飾った充さんの写真を見ては相変わらず胸がチクチクと痛み、うっかり涙がこぼれそうになります。
充さんの6回目の月命日の今回は、”Can’t Take Eyes Off You(君の瞳に恋してる)”を選びました。この曲は私が主人に連れられて初めてMAYBEに行った日の想い出の曲です。私がソウルに馴染みがないと聞いた充さんが、私でも知っているだろうと選んでかけてくれた曲でした。
あの日充さんがかけてくれたのは、Boys Town Gang(ボーイズ・タウン・ギャング)のディスコバージョン。ソウルミュージックと聞いてもいまいちピンときていなかった私でしたが、この曲を聴いて「あ、これもソウルなんだ」と親しみやすさを感じました。あの日のこの曲がきっかけで、私はソウルファンになりました。
この曲はBoys Town Gangのディスコバージョンも良いですが、Frankie Valli(フランキー・ヴァリ)のスローなオリジナルも素敵です。どちらも甲乙つけがたいので、今回は両バージョンの動画を載せておきます。
ねえ、充さん。あの日からもう10年以上経つんだね。お酒が苦手な私に薄めで飲みやすい「カシス緑茶」を教えてくれたのもあの頃だった。ソウルもお酒も充さんが教えてくれた。充さんは「過去を語る奴は嫌いだ」って言ったけどさ、充さんのことはもう過去しか語れないから許してよ。あの頃は本当に本当に、楽しかったね。
Can't Take My Eyes Off You (1967)
You're just too good to be true
ありえないほど素敵な君
これは”too 形容詞 to 動詞原形”という用法で、
「○○すぎて●●できない」という意味で使われます
この場合は直訳すると「素敵すぎて現実になりえない」となります
Can't take my eyes off you
君から目が離せない
You'd be like heaven to touch
触れたらきっと天の心地
I wanna hold you so much
どうしようもなく抱きしめたい
At long last love has arrived
やっと訪れた愛
”at last”だけでも「やっと」という意味ですが
“long”を入れることで「とても長いこと待った」というニュアンスを出しています
And I thank God I'm alive
生きていることを神に感謝しよう
You're just too good to be true
ありえないほど素敵な君
Can't take my eyes off you
君から目が離せない
Pardon the way that I stare
不躾な視線をどうか許して
There's nothing else to compare
他に比べるものもない
The sight of you leaves me weak
君を一目見るだけで僕は弱くなってしまう
There are no words left to speak
言葉も失う
“leave”は原形、”left”は過去分詞
この2つは同じ動詞”leave”の別々の形で、歌詞の中では対になっています
動詞“leave”にはいくつかの意味があり、この2行では別々の意味で使われています
前者は”leave +人+形容詞”で「(人を)ある状態のままにする」
⇒”leave me weak”なので、「僕を弱いままにする」となります
後者は”be left to 動詞原形”で、「●●することが残っている」
⇒直前の”no words”を受けているので、「話すべき言葉は何も残っていない」となります
But if you feel like I feel
でも君が僕と同じ気持ちなら
Please let me know that it's real
これが現実だと実感させて
You're just too good to be true
ありえないほど素敵な君
Can't take my eyes off you
君から目が離せない
I love you baby and if it's quite all right
愛してる そしてもし許されるなら
I need you baby to warm the lonely nights
君に温めてほしい 孤独な夜を
I love you baby, trust in me when I say
愛してる そう言ったら信じてくれ
Oh pretty baby, don't bring me down I pray
可愛い人 どうか僕を裏切らないで
Oh pretty baby, now that I've found you stay
可愛い人 ここにいてくれるんだね
“now that”は「今や…」「既に…」
“I’ve (I have) found”は現在完了形で、「発見した」「気づいた」
直訳は「君がここにいてくれるという事実に僕は既に気づいたよ」
And let me love you baby, let me love you
どうか君を好きでいさせて
シンプルながら言葉や文法の使い方が巧みで、単語ひとつひとつの音がとても美しい、愛にあふれた大好きな曲です。