Nothing's Gonna Change My Love For You / George Benson

変わらぬ想い / ジョージ・ベンソン


 こんにちは、Ellieです。2022年2月9日。札幌のソウルバーMAYBEの充さんが亡くなってから今日で2年と5か月。29回目の月命日です。

 

 バレンタインデーが近い今回は、チョコレートのようにあまーいラブソングを選びました。George Benson(ジョージ・ベンソン)の Nothing’s Gonna Change My Love For You(変わらぬ想い)です。

 

 この曲をMAYBEで聞いた想い出はありません。この曲は、充さんが入院中に札幌を訪れた際に、初めて行ったソウルバー Jim Crowさんでかかっていた曲でした。

 

 初めて聴いた時に「ああ、素敵な歌詞...」とメロメロになりながら、サビの部分で少しひっかかりました。”One thing you can be sure ...” のところ。sure で終わっても違和感無さそうだけど何かもうひとつ音があるな?と、リラックスしすぎてまとまらない頭でぼーっと考えていたのを憶えています。

 

 帰宅してから再度曲を聴き、sure の後に of がついていたことに気づき、ソフトすぎて音にならないfの音を改めて聴いた時には、森の絵の中に隠れていたカエルを見つけたようなワクワク感でした。

 

 この曲の魅力は、George Bensonの甘い歌声や歌詞の言葉の選び方だけでなく、構文の使い方にもあります。より深いメッセージを伝えるためにあえて使われている、「嫌われ文法」にも目を向けていただけたら嬉しいです。

 

 ねえ、充さん。コロナが落着いてた先月頭までは、私も久しぶりに羽を伸ばしてすすきので夜遊びできたんだ。これまで行く機会がなかった新しいお店との出会いは素敵だしすごく楽しい。でもやっぱり想い出すのはMAYBEと充さんのことばかりで。ほんとにもう、どうしたらいいんだろう。まだMAYBEがあったら、この時期はチョコレート味のシガリロでも手土産に遊びに行ったのにな。ホワイトデーのお返しなんていらないから、戻って来てくれないかなぁ。

 

 

Nothing's Gonna Change My Love For You

/ George Benson


If I had to live my life without you near me

もしも僕が君なしで人生を歩まなければいけないとしたら

The days would all be empty

日々は空っぽだろうし

The nights would seem so long

夜はとても長く感じるだろう

 

いきなり出ました!嫌われ文法の代名詞「仮定法過去」です。

「そんな文法わからなくてもいいじゃん」と思うかもしれませんが、

あえてこの構文を使うのには意味があります。

ぜひ解説にもお付き合いください。

 

仮定法過去とは、

 

If + 主語 (I) + 動詞の過去形 (had) ~.

主語 (the days / the nights) + 助動詞の過去形 (would = willの過去形) + 動詞の原形 (be / seem) ...

 

という形で、「もし~なら、...だろう」という意味になります。

 

現在の事実に反することや可能性の低いことを仮定または想像する構文です。

過去形の動詞を使うので「仮定法過去」と呼ばれますが、表す内容は現在のこと。

この辺のややこしさが嫌われる要因でしょうか。

 

ただ上記の説明の通り、「可能性の低いことを仮定する」表現なので、

あえてこの構文を使うことは「君なしの人生なんてあり得ないけど」

という気持ちを強調するということでもあります。

 

単語や表現だけでなく構文も想いを表現する上で重要な要素になるということの、

まさしくお手本のようなラインです。

 

With you I see forever oh so clearly

君と一緒だと永遠がとてもはっきりと見える

I might have been in love before

前にも恋に落ちたことはあったかもしれない

But it never felt this strong

でもこんなに強く感じたことは一度もなかった

 

Our dreams are young and we both know

僕たちの夢は若く、2人とも分かってる

They'll take us where we want to go

その夢は僕たちを望む場所へ連れて行ってくれると

Hold me now

さあ僕を抱きしめて

Touch me now

さあ僕に触れて

I don't want to live without you

君なしで生きて行きたくない

 

Nothing's gonna change my love for you

何があっても君への愛は変わらない

タイトルにもなっているこのライン。

主語が nothing (何も...ない/少しも...ない)

助動詞は is gonna = is going to  (○○するだろう)

動詞は change (変える)

目的語は my love for you (僕の君への愛)

まとめて直訳すると、

「何も僕の君への愛を変えることはないだろう」となります。

この場合の「何も」は、人、物、出来事等々、あらゆるものを対象に含みます。

You ought to know by now how much I love you

君はどれだけ僕が君を愛しているかもう知っているはず

ought to は should と同じ意味で使われ、

後ろの動詞にかかって「○○すべき」という意味で使われます。

You(君は) ought to(すべき) know(知る) by now(これまでに/既に)

how much(どれだけ) I(僕が) love (愛している) you(君を)

まとめて直訳すると、

「君は既に知っているべきだ、僕がどれだけ君を愛しているかを」

となります。 

One thing you can be sure of

ひとつ君が絶対に確信していいことは

I'll never ask for more than your love

僕が君の愛以外に何も求めないということ

 

Nothing's gonna change my love for you

何があっても君への愛は変わらない

You ought to know by now how much I love you

君はどれだけ僕が君を愛しているかもう知っているはず

The world may change my whole life through

僕が人生を歩む中で世界は変わるかもしれない

But nothing's gonna change my love for you

でも何があっても君への愛は変わらない

 

If the road ahead is not so easy

もしもこの先の道が容易でないのなら

Our love will lead the way for us

僕たちの愛がその道案内をしてくれる

Like a guiding star

案内星のように

 

I'll be there for you if you should need me

君が僕を必要とすることがあれば側にいる

“if you should need me”

これは should を用いた仮定法の形です。

 

If + 主語 + should 動詞の原形 ~.

という形で、「万が一~ならば(すれば)」という意味になります。

 

ただしこの形は「万が一」がつくことで分かるように、

実現可能性が低いことに使われることが多く、

ここでこの形を使うのは、

「いつも側にいるし大切にするからあえて《必要になる》ことはないだろうけど」

というメッセージが伺えます。

You don't have to change a thing

君は何ひとつ変えなくていい

似た表現に

You don’t have to change anything(何も変えなくていい)

というものもありますが、

あえてanything ではなく a thing にすることで、

「何も」という漠然とした表現ではなく、

「ひとつも」という強い意志を込めた表現にしています。

I love you just the way you are

ただありのままの君を愛してる

 

So come with me and share the view

だから僕と一緒に来て同じ景色を見て

I'll help you see forever too

君も永遠が見えるように手助けしよう

Hold me now, touch me now

さあ僕を抱きしめて、さあ僕に触れて

I don't want to live without you

君なしで生きて行きたくない

 

Nothing's gonna change my love for you

何があっても君への愛は変わらない

You ought to know by now how much I love you

君はどれだけ僕が君を愛しているかもう知っているはず

One thing you can be sure of

ひとつ君が絶対に確信していいことは

I'll never ask for more than your love

僕が君の愛以外に何も求めないということ

 

Nothing's gonna change my love for you

何があっても君への愛は変わらない

You ought to know by now how much I love you

君はどれだけ僕が君を愛しているかもう知っているはず

The world may change my whole life through

僕が人生を歩む中で世界は変わるかもしれない

But nothing's gonna change my love for you

でも何があっても君への愛は変わらない

 

Nothing's gonna change my love for you

何があっても君への愛は変わらない

 

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