Happy Birthday / Stevie Wonder

ハッピーバースデー / スティービー・ワンダー


 こんにちは、Ellieです。2020年5月5日。札幌のソウルバーMAYBEの充さんが亡くなったのが昨年、2019年の9月9日だったことから、いつもは月命日の9日の更新ですが、5月だけは充さんの誕生日の5日にしようと決めていました。そんなわけで今回はベタに、Stevie Wonder(スティービー・ワンダー)のHappy Birthday(ハッピーバースデー)を紹介します。

 

 バースデーソングとして人気のこの曲はおそらく誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。ただ歌詞の内容を見てみるとイメージがガラリと変わります。軽快で明るいテンポとメロディーがパーティーにピッタリのこの曲は、非常に政治的なメッセージを込めてある特定の人物のために書かれた曲なのです。

 

 その人物とは歌詞の中にある通り、アメリカの公民権運動の指導者だったマーティン・ルーサー・キングJr.牧師です。これはキング牧師がこの世に生を受けその人生を人々の平和と平等のために生きたことに感謝し、その功績を称えた曲です。

 

 特定の人物に対するバースデーソングである一方で、この曲は地球上のすべての人へのバースデーソングでもあると私は解釈しています。つまりキング牧師がその人生をかけて切り拓いてくれた「自由で平和で平等な世界」に対しての、そしてその世界に生を受け、彼の意思を引き継ぎより良い世界を作って行こうとするすべての人に対しての、希望とエールを込めたバースデーソングなのだと思います。

 

 これぞ魂の叫び、ソウルの真髄とも呼びたくなる、熱くてパワフルな作品です。

 

 なんてかっこよく解説してみましたが、実はこの曲の歌詞の意味をよく知ったのは私もつい最近です(笑)。MAYBEでこの曲を聴く時というのは、やはり誰かの誕生日やお祝いの日で、大好きな人たちと集まって慣れないお酒で酔っ払って、ひとつひとつの歌詞の意味など考えずに、曲のリズムやメロディーに気持ちよく体を揺らしていました。私の誕生日に充さんがかけてくれた曲。主人の誕生日にMAYBEで芳川さんがかけてくれた曲。この曲に込められたメッセージと同じくらい、楽しい想い出のいっぱい詰まった大好きな曲です。

 

 ねえ、充さん。「誕生日が5月5日で命日が9月9日なんて変なミラクル起こしてんじゃねーよ」って充さんの幼馴染が涙を流しながら声を振り絞っていたあの弔辞の光景が忘れられない。ほんと、一生忘れられそうにないよ。でも今日は充さんの大切な日だから恨み言はなしにして、私からこの曲を贈らせて。

 

Happy Birthday, uncle Mitsuru!!

 

 

Happy Birthday / Stevie Wonder


You know it doesn't make much sense

意味がわからないんだ

There ought to be a law against

取り締まる法律があってしかるべきだろ

“ought to”は「〇〇すべき」という意味で

助動詞shouldと同じ意味だと学校では習います

実際ほぼ同じ意味で使われますが、

一般的に”ought to”の方がより強い意志を持って使われます

Anyone who takes offense at a day in your celebration

貴方を祝う日に怒りをぶつける奴をさ

“take offense at 〇〇”で、「〇〇に対して怒る」です

類似表現に”be offended”というものもあります

offenseは「攻撃」、offendはその動詞形で「攻撃する」

“take offense”は「攻撃されていると受け取る」

“be offended”は受動態で「攻撃される」

どちらも「相手に自分を攻撃された(否定された)と感じる=怒る」というニュアンスです

 

'Cause we all know in our minds

だって僕らはみんな頭ではわかってる

That there ought to be a time that we can set aside

とっておきの時間を作るべきだって

To show just how much we love you

みんなが貴方をどれだけ愛しているかを示す時間をさ

 

And I'm sure you would agree

貴方もきっと同じ気持ちだろう

It couldn't fit more perfectly

これ以上にふさわしいことなんてない

Than to have a world party on the day you came to be

世界中でお祭りをするんだ貴方が生まれた日に

 

Happy birthday to you

Happy birthday to you

Happy birthday

Happy birthday to you

Happy birthday to you

Happy birthday

 

I just never understood

ずっと理解できなかった

How a man who died for good

どうして正義のために死んだ男が

Could not have a day that would be set aside for his recognition

その人生を称えられる特別な日を持てないんだ

 

Because it should never be

そんなことはあっちゃいけない

Just because some cannot see the dream as clear as he 

その夢を彼ほどにはっきりと見えない奴らがいるからって

“as 形容詞または副詞 as 〇〇”で

「〇〇とおなじくらい...である」という表現です

最後のheはhimの方が文法的に完成された形になりますが

ここがheになっているのはその後の言葉が省略されているためです

省略されている言葉を書き出すと”he saw it” 

(sawはsee「見る」の過去形)

英語は同じ言葉や内容の繰り返しを嫌う言語なので、

こんな感じの省略は英語ではよく出てきます

That they should make it become an illusion

その夢を幻想にすべきだなんてさ

 

And we all know everything that he stood for, time will bring

みんな知ってるさ 彼が信念を抱いたすべてのことは時と共に現実になる

“stand for 〇〇”は、「〇〇を支持する、〇〇に賛成する」

ただしこの場合ただの支持や賛成ではなく

「強い信念を持って」何かを支持したり賛成したりするというニュアンスです

“time will bring”は直訳すると「時がもたらす、時が運んでくる」

For in peace our hearts will sing

平和を願い僕らの心が歌う

Thanks to Martin Luther King

マーティン・ルーサー・キングへの感謝を込めて

 

Happy birthday to you

Happy birthday to you

Happy birthday

Happy birthday to you

Happy birthday to you

Happy birthday

 

Why has there never been a holiday

なぜ今まで無かったんだ

Where peace is celebrated all throughout the world

世界中で平和を祝う休日が

“peace is celebrated”は「be動詞+動詞の過去分詞」の受動態となっていて

直訳は「平和が祝われる」です

 

 

The time is overdue 

これ以上は待てない

For people like me and you

僕や貴方のような人間は

Who know the way to truth is love and unity to all God's children

真実への道は愛と神の子すべてがひとつになることだと知る人間は

It should be a great event

これは偉大なイベントでなきゃいけない

And the whole day should be spent in full remembrance

そしてその日一日を想いを馳せることに使うんだ

Of those who lived and died for the oneness of all people

人々が一つになるために生きて死んで行った人たちに

 

So let us all begin

だからみんなで始めよう

We know that love can win

愛は勝てると知っているから

Let it out, don't hold it in

吐き出して、内に留めずに

Sing it loud as you can

全力で歌ってくれ

 

Happy birthday to you

Happy birthday to you

Happy birthday

Happy birthday to you

Happy birthday to you

Happy birthday

 

 

Happy birthday, happy birthday, happy birthday

Ooh yeah

Happy birthday, happy birthday, happy birthday...

 

We know the key to unify all people

僕らは知っている 人々がひとつになるための鍵は

Is in the dream that you had so long ago

貴方がずっと昔に持っていた夢の中にあると

That lives in all of the hearts of people that believe in unity

それは人々の結束を信じるすべての人たちの心の中で生きている

We'll make the dream become a reality

僕らがその夢を実現する

I know we will

必ずできると確信している

Because our hearts tell us so

だって僕らの心がそう告げているから

 

Happy birthday, happy birthday, happy birthday

Happy birthday, happy birthday, happy birthday

 

 

コメント: 1
  • #1

    みゆき (日曜日, 20 12月 2020 09:07)

    素晴らしい和訳で涙が出ました。
    ありがとうございます。