アイ・ラヴ・ミュージック / オージェイズ
こんにちは、Ellieです。2021年4月9日。札幌のソウルバーMAYBEの充さんが亡くなってから19回目の月命日となりました。札幌への引っ越しが来月に決まり、今更ながら充さんにもう会えないということをじわじわと実感しています。
今回解説する曲は、 O’Jays(オージェイズ) の “I Love Music(アイ・ラヴ・ミュージック)” です。この曲は私が初めてMAYBEに行った時、充さんの幼馴染であり主人の友人でもあったH氏が「私のおすすめです」と充さんにリクエストしてかけてくれた曲で、その後H氏と一緒にMAYBEに行けば必ず聴いていた、思い出深い曲です。
札幌から遠く離れた東京でただ充さんの病状を心配することしかできなかった私たちにH氏は、充さんのお見舞いに行ったあとにはいつも連絡をくれました。それが嬉しかった一方で、H氏からの着信にはいつもドキドキしながら出ていました。一度それをH氏に伝えたら、ある提案をしてくれました。
「大丈夫な時は電話にする。悪い知らせはメールにする。」
この約束があったので、あの日メールボックスにH氏のメールを見つけた時には一瞬目の前が真っ暗になり、開くのを躊躇しました。その内容を確認した後、主人に伝える時が一番辛かった。それでもすぐに私たちに知らせてくれたことに本当に感謝しています。私たち夫婦が充さんにちゃんとお別れを言えたのはH氏のおかげです。
底抜けに明るい曲の解説前に湿っぽい話をしてしまいました。 “I Love Music” はそのタイトルの通り、ただひたすらに音楽への愛を歌った曲です。私にとっては最初にこれを教えてくれたH氏はもちろん、MAYBEで出会ったすべての人を、そしてやはり充さんを思い出して温かい気持ちにしてくれる曲です。今回はH氏へ感謝を込めて、彼の一番のお気に入りの曲の訳詞と解説をしたいと思います。
ねえ、充さん。主人がHさんと再会できたのも、私がHさんと出会えたのも、MAYBEがあったから。Hさんだけじゃなくてたくさんの人と素敵な音楽との出会いを本当にありがとう。本当に本当に大好きだったから(今でも大好きだから)、あの場所がなくなってしまったことを受け入れるにはまだ時間がかかりそうだよ。
I Love Music / The O'Jays
Ah, ah, ah, na, na, na, na, na, na, na, na
Ohhh, oh, oooh, oh, oh, oooh, oh, oh, oh
Get it on, get it on
Get it on, get it on, get it on
Get it on, yeah
Ohhh, oh, oooh, oh, oh, oooh, oh, oh, oh
“Get it on”は「楽しくやろう」
I love music
音楽が好き
Any kind of music
どんな音楽も
I love music
音楽が好き
Just as long as it's grooving
グルーヴしていれば(何でも好き)
“love” は和訳すると「愛する」ですが、
英語では「大好き」というニュアンスでも使われます。
“as long as ...” は「...でさえあれば」
“groove” は名詞ではレコードの溝のことを指します
ここでは動詞で使われていて、
辞書では俗語の訳語として「楽しむ、愉快である」とされていますが、
ソウルではgroove(グルーヴ)やgroovy(グルーヴィー)は
体に響く独特の音やリズムに使われる用語という印象ですので、
あえて和訳するのは野暮かなと思いカタカナのままにしておきました。
私個人としての grooveの解釈は、
「針がレコードの溝をなぞるように深く体の奥に響いて自然と体が動くようなリズムと音楽」
という感じです。
Makes me laugh, makes me smile all the while
ずっと僕を笑わせて笑顔にしてくれる
“while” は「~の間」という意味。
“all the while” で「~の間中ずっと」
Whenever I'm with you, girl
キミと一緒の時はいつもさ
While we dance, make romance
一緒に踊っていい感じになると
I'm enchanted by the things that you do
僕はキミの仕草にくぎ付けなんだ
“enchant” は「魔法をかける、うっとりさせる、心を奪う」
ここでは “be動詞 (am) + enchanted (過去分詞)”で受け身の形になっていて、
直訳は「キミの仕草に心を奪われている」となります。
Oooh, oooh, oooh. Aw, aw, aw, aw, aw
Ohhh, oh, oooh, oh, oh, oooh, oh, oh, oh
I love music
音楽が好き
Sweet, sweet music
甘い、甘い音楽
As long as it's swinging
スイングしていれば(何でも好き)
All the joy that it's bringing
すべての喜びを運んでくれる
I'm so happy to be in complete harmony
完全なハーモニーに包まれる幸福感
I love you, girl
キミが好きだよ
And to hold you so close in my arms
この腕にキミをきつく抱くことも(好きだ)
ここには前のラインの ”I love” がかかっていて、
“I love to hold you...” という流れになっています。
この “to” 以下は不定詞で名詞として表現されていて、
“to hold you so close in my arms” で
「この腕にキミをきつく抱くこと」となっています。
I'm so glad that you're mine, all mine
キミが僕のものだということが嬉しい、全てが僕のものさ
Nothing can be better than a sweet love song
甘いラブソングは最高
直訳は「甘いラブソングよりも素敵なものはない」
他すべてを否定することによる最上級の表現です。
So sweet, so sweet
すごく甘くて
So mellow, mellow
とってもメロウで
When you got the girl that you love in your arms
愛する人を腕に抱く時には特に
Oooh, honey I love you, I love you, yeah
ああ、可愛い人、愛してる
Music is the healing force of the world
音楽は世界を癒す力
It's understood by every man, woman, boy and girl
老若男女だれでもわかる
“be動詞 (is) + understood (understandの過去分詞)”
ここも上記の形で受け身になっていて、
直訳は「それは老若男女だれにでも理解される」です。
And that's why, that's why I say (That's why, that's why)
だからこそ僕はこう言うのさ
I love music
音楽が大好き
Any kind of music
どんな音楽も
I love music
音楽が大好き
Just as long as it's grooving, grooving
グルーヴしていれば(何でも好き)
Music makes the atmosphere so fine
音楽は素敵な雰囲気を演出する
直訳は「音楽は雰囲気をすごくよくする」
Lights down low, just me and you, baby you know
明かりを落として、僕とキミだけで、ねえ分かるだろ
Especially when you got a cold glass of wine
冷たいワインがあったら最高
Mellow, mellow wine and song
メロウなワインと曲
I love music
音楽が大好き
Any kind of music
どんな音楽も
I love music
音楽が大好き
Just as long as it's grooving
グルーヴしていれば(何でも好き)
※この先は歌詞と言うより繰り返しの歌詞を所々アレンジしてリズムに乗せている感じなので割愛。