イット・テイクス・トゥー / マーヴィン・ゲイ&キム・ウェストン
こんにちは、Ellieです。2021年12月9日。札幌のソウルバーMAYBEの充さんが亡くなってから今日で2年と3ヶ月。27回目の月命日となりました。
明日12月10日は私たち夫婦の8回目の結婚記念日です。このサイトを始めた一昨年12月にはMAYBEでの結婚記念パーティーの想い出の曲Between the Sheetsを、昨年は私が好きなJust The Way You Are(素顔のままで)を載せました。今年はマービン・ゲイを神と崇める主人に日頃の感謝を込めて、マービン・ゲイとキム・ウェストンのデュエット曲、 “It Takes Two” を紹介します。
★ Between The Sheets / The Isley Brothers(ビトゥイーン・ザ・シーツ / アイズレー・ブラザーズ)
★ Just The Way You Are / Barry White(素顔のままで / バリー・ホワイト)
32歳も年が離れている私たち夫婦は、どこへ行っても人目を引きます。決して自意識過剰というわけではありません。実際にチラ見ではなくガン見と呼べる視線を無遠慮に向けられたり、疑問や好奇の言葉が聞こえてきそうなほどうるさい視線を向けられることは日常茶飯事です。
まあどこへ行くにも手を繋いだり腕を組んだりしているので、親子ほどの年の差がありながら見た目も距離感も親子には見えないし、不倫カップルにしては堂々としすぎているし(笑)、興味を持たれるのは仕方がない。見る側は「夫婦なんだろうな」と一応納得はしつつ、興味津々に観察してきます。
最初のうちはこんな視線がうるさくてたまらなかったのですが、最近では気にしなくなりました。自分たちが幸せならそれでいいじゃないと思うからです。
夫婦のことは当事者の夫婦にしかわかりません。私たち夫婦も同じで、「なぜこの人なの?」「なんでわざわざこんな年の離れた人と?」に対して質問した側が納得できるような答えはあるようでないのです。そんな中でこの曲は、この質問に対するひとつの答えではないかなと思っています。
1人よりも2人がいい。お互いを支えあえて、一緒に色んなことをして、同じ景色を見て、共に感動できる相手がいい。1人では難しくても2人でならできること、それを可能にしてくれる相手がいい。その相手は誰でもいいわけじゃなくて、貴方がいい。私にとって主人はその「2人の1人」なのです。
ねえ、充さん。今まだあの場所に充さんのMAYBEが残っていたなら、今年はきっと引越し祝いと結婚8周年でみんな呼んでパーティーしたんだろうな。それともコロナの自粛で、2人だけでMAYBEに行って遅くまでのんびりしていたのかな。幸せで大切な日だからこそ、充さんに会えないのがいつもより寂しいよ。
It Takes Two / Marvin Gaye & Kim Weston
この曲は助動詞 can の使い方が特徴的な曲です。
“can” は学校で「○○できる」という風に教わります。
もちろんこれが最も代表的な使い方ですが、
この他にも、「○○となる可能性がある」「○○であるかもしれない」
という風に使われることもあります。
歌詞のほとんどのラインに使われている can の訳し方にご注目です。
[Her:] One can have a dream, baby
夢は1人で見れる
[Him:] Two can make that dream so real
2人ならその夢を現実できる
[Her:] One can talk about being in love
愛は1人で語れる
[Him:] Two can say how it really feels
2人ならその感覚を語れる
[Her:] One can wish upon a star
星に願いをかけることは1人でできる
[Him:] Two can make that wish come true, yeah
2人ならその願いを叶えられる
[Her:] One can stand alone in the dark
1人では暗闇に孤独に立ち尽くすこともある
[Him:] Two can make the light shine through
2人なら光で照らせる
ここを「1人ではここまでしかできなくて2人ならこうできる」
と解釈するととても押しつけがましい感じがしますが、
「1人でやったことを更に良くできる特別な相手の存在」
と私は解釈しています。
私にとって主人は正しくこんな存在です。 (*´▽`*)
It takes two, baby
2人必要なの
It takes two, baby
2人必要なの
Me and you, just takes two
私とあなた、2人必要なの
この"just"は「とにかく」と強調するための単語。
訳詞に入れると違和感があるので省きました。
It takes two, baby
2人必要なの
It takes two, baby
2人必要なの
To make a dream come true, just takes two
夢を叶えるためには、2人必要なの
タイトルにもなっている “It takes two”
“take” は「取る」という意味で頻繁に使われますが、
“take” は様々な意味と使い方がある単語です。
ここでは「(何かをするために金、時間、労力など)がかかる、を必要とする」
という意味で使われています。
例:“It takes 20 minutes.(20分かかります)”
「目的を達成するために必要な時間、お金、労力」はすなわち、
「目的を達成するためにその目的(it)が自分から何を奪うか(取るか/ take)」ということ。
つまり解釈や使い方が異なるだけで言葉の意味するところは同じです。
ここで "take" が "takes" になっているのは、
主語の "it" が三人称単数形で現在形(三単現)の文章だからです。
“It takes two” は直訳すると「2を必要とする」となります。
“two” のあとには “people” が省略されていて、
「2人が必要」という訳になります。
[Her:] One can have a broken heart, living in misery
1人では惨めさの中で傷ついた心を抱え生きることもある
[Him:] Two can really ease the pain like a perfect remedy
2人なら完全な癒しのように痛みを和らげられる
[Her:] One can be alone in a car, on a night like these all alone
1人ではこんな夜に独りぼっちで車の中にいることもある
[Him:] Two can make just any place seem just like being at home
2人ならどんな場所でも家にいるように思える場所にできる
Just takes two, just takes two
2人必要、2人必要なの
[Her:] One can go out to a movie, looking for a special treat
素敵な特典を期待して1人で映画に出かけることもある
[Him:] Two can make that single movie something really kind of sweet
2人ならその映画をすごくスイートなものにできる
[Her:] One can take a walk in the moonlight, thinking that it's really nice
1人で月夜に散歩に出かけてとても良い気分になることもある
[Him:] But two walking hand-in-hand is like adding just a pinch of spice
でも2人で手に手をとって歩くのはひとつまみのスパイスを足せる感じ
最後のこのかたまりは、
「1人で生きるのも2人で生きるのもどっちもいいね」
というメッセージが込められていると感じます。
全体を通して「2人でいるのがいい」と主張しつつ、
「1人でいるのが楽しくて素敵なのも否定しない」
という感じが素敵です。