愛がすべて / スタイリスティクス
こんにちは、エリーです。2020年7月9日。今日は札幌のソウルバーMAYBEの充さんが亡くなってから10回目の月命日。あと2ヶ月で一周忌なんですね。早いなぁ。
やっと最近は充さんのことを思い出して突然泣き出すことはなくなりました。でもこれはただ感覚が麻痺しているだけなのだと思います。昨年9月のお葬式以降、私も主人も札幌へ行っていません。MAYBEがもう札幌に無いことを、頭ではわかっていても感覚ではきっとわかっていないのです。次に札幌を訪れる時が、充さんの不在を思い知る時が、本当に怖い。それでも早く札幌へ行きたい。充さんがいた、そして今も大好きな人たちのいる大好きなあの町に、夫婦で根を下ろしたい。それが今の私のモチベーションのすべてです。
さて、今回はThe Stylistics(スタイリスティクス)のCan’t Give You Anything(愛がすべて)を紹介します。
7月は私が主人につれられて初めてMAYBEに行った月です。7月は私と主人が出会って付き合い始めた記念日のある月で、MAYBEに行ったのは確か3回目の記念日でした。あの年は色々あって、元々仕事で愛知県にいた主人は北海道の実家に戻っていました。当時まだ学生だった私はバイト代を貯めて、大好きな人と記念日を共に過ごすために北海道に行きました。
初めて私を見た時の充さんの表情は今でもよく覚えています。
「なんだこの子供?」(当時24才でしたが童顔なので...苦笑)
「お兄ちゃん(主人)何考えてんの?」
言葉にはしませんでしたがこんな感じでした(笑)。
英語は大好きなのに洋楽はほとんど聞かないと言った私のために充さんが最初に選んでかけてくれたのがこの曲でした。MAYBEの2階、両側に大きなスピーカーが置いてあるソファで、イントロのトランペットの美しい音を聴いた時の感動と衝撃。そして私が知っているであろう曲を選んでかけてくれた充さんの優しさにとても温かい気持ちになったこと。あの日からMAYBEは、私の「魂の止まり木」でした。
ねえ、充さん。主人と離れ離れだったあの年に、私を励まし続けてくれたのは、充さんがお店でかけてくれた曲たちだった。MAYBEはいつも私の心を明るくしてくれた。もうあの行灯に明かりがともらなくても、私の中ではいつも優しく光ってるよ。本当に、ありがとう。
Can’t Give You Anything / The Stylistics(1975)
If I had money I'd go wild
お金があったら僕は大胆になって
buy you furs, dress you like a queen
君に毛皮を買って女王様のように着飾らせよう
“I’d = I would”
“If + 主語 + 動詞の過去形... 主語 + would + 動詞の原形”
これは「仮定法過去」と呼ばれる用法です
「もし(今)~なら、…だろうに」という意味で、
動詞の過去形を使うので「仮定法過去」と呼ばれますが、
意味としては「現在」のことを説明するのに使います
「ドレス(名詞)」を意味する“dress”は、
「(服を)着せる、着飾る」と意味で動詞でも使われます
またこの”like”は「好き」という動詞ではなく、
「〇〇のように」という意味の前置詞です
この場合は”I would”が”buy you furs”と”dress you like...”の両方にかかっています
And in a chauffered limousine
運転手付きのリムジンに乗って
We'd look so fine
カッコつけよう
“We’d = We would”
ここは最初の”If I had money”から繋がっていて、
ここも「仮定法過去」の文章の一部です
直訳は「僕たちはすごくカッコよく見えるだろう」
「見る」という意味を持つ“look”は「(のように)見える」という意味でも使われます
But I'm an ordinary guy and my pockets are empty
でも僕は平凡な男で何も持っていない
“ordinary”は「普通の・平凡な」
“my pockets are empty”は直訳すると「僕のポケットは空っぽ」
Just an ordinary guy
ただの平凡な男
But I'm yours till I die
でも僕は死ぬまで君のもの
I can't give you anything
僕は君に何もあげられない
But my love
この愛以外は
But my love
この愛以外は
I can't give you anything
僕は君に何もあげられない
But my love
この愛以外は
But my love
この愛以外は
「全否定 ... but + 名詞」は
「何も無い(できない)、〇〇以外は」
「何も無い(できない)、でも〇〇だけはある(できる)」
一旦全部否定しておくことで最後に来る名詞の存在感を強調するこの構文は
ラブソングに最適ですね(そして私のお気に入り)...(〃▽〃)
I cannot promise you the world
君に世界をあげるなんて約束はできない
Can't afford any fancy things
素敵なものを買う余裕もない
I cannot buy you diamond rings
ダイヤの指輪は買ってあげられない
Nor string of pearls
真珠のネックレスも
「否定 + nor」で、「〇〇も■■もない(できない)」
But my devotion I will give all my life just to you girl
でも僕の愛をささげる 君だけにこの人生すべてをあげる
My devotion I will give for as long as I live
僕の愛をささげる この命が続く限り
“My devotion”は直訳すると「僕の献身・深い愛」
“devotion”は動詞”devote(ささげる、熱愛する)”の名詞形です
I can't give you anything
僕は君に何もあげられない
But my love
この愛以外は
But my love
この愛以外は
I can't give you anything
僕は君に何もあげられない
But my love
この愛以外は
But my love
この愛以外は