Ain't No Mountain High Enough

エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ


 こんにちは、Ellieです。2020年10月9日。札幌のソウルバーMAYBEの充さんが亡くなってから13回目の月命日となりました。先月の一周忌で気持ちの整理をつけて終わりにしようかとも一瞬思いましたが、やはりまだまだ気持ちの整理などついていません。続けます。

 

 今回紹介する曲は、クラシックソウルの名曲、"Ain't No Mountain High Enough(エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ)"です。意味は「高すぎる山はない」。オリジナルはマービン・ゲイ&タミー・テレルのデュエットで、様々なアーティストがカバーしています。これもまた思い出深い曲です。

 

 私と主人がMAYBEに遊びに行った時には、ほぼ毎回、充さんのお弟子さんの芳川さんともMAYBEで会っていました。お弟子さんとは言ってももうお店で働いてはいませんでしたが、私たちが行くとよく芳川さんがレコードをかけてくれました。

 

 「いつもかける曲が同じだ」と充さんにはいじられていましたが、私は芳川さんの選曲がとても好きで、よくかかっていた曲は今でも耳に残っています。大好きなMAYBEと充さんの想い出とともにある大好きな曲たちです。そして芳川さんが好んでよくかけていたうちの一曲が、この曲のダイアナ・ロスのカバーでした。

 

 さらにこの曲については、最近同じく充さんのお弟子さんでMAYBEの元スタッフの友人から、充さんが好きだったというラリー・レヴァンのアレンジバージョンを教えてもらいました。このバージョンは(多分)初めて聴きましたが、これもまたとても素敵なダンスアレンジで、すごく充さんらしくて、カッコイイ曲です。

 

 ちなみに私のお気に入りは、オリジナルのマービン&タミーのバージョンです。どれも甲乙つけがたいので今回はここで紹介した3バージョンの動画を載せておきます。ちなみに歌詞はオリジナルのものを使用しています。一人称が「私」と「僕」で定まらないのはデュエットだからです。

 

 ねえ、充さん。充さんが好きだったバージョン、一緒に聞きたかったな。それともいつか、かかっていたのかな。お店ではいつも酔っ払ってたから覚えてないだけかな。踊って見せてほしかったな。またひとつ、私のお気に入りが増えたよ。

 

 

Marvin Gaye & Tammi Terrell

 

 

Diana Ross

 

 

Inner Life Featuring Jocelyn Brown

(Larry Levan’s Paradise Garage)

 

Ain't No Mountain High Enough


Listen, baby

聞いてくれ

Ain't no mountain high

高すぎる山はない

Ain't no valley low

深すぎる谷もない

Ain't no river wide enough, baby

広すぎる川もない

 

“Ain't”という表現はよく耳にも目にもする英語表現ですが、

学校では習わないのでよくわからないと思っている人もいるかもしれません。

学校でこれを教えないのは、正確な文法ではないからです。

 

“ain't”はもともと”am not”の省略形として使われるようになったと言われています。

(ルーツは南北戦争前のアメリカ南部。)

 

“am not”は”aren't = are not”や”isn't = is not”のように省略はできません。

そのため”amn't”もそこから派生した”ain't”も文法的には不正確です。

ただしいわゆる日常表現やスラングというのは文法を無視したものも多いので、

これもそのひとつ(と言うか代表例)として認識しておきましょう。

 

ちなみに"ain't"は"am not"だけでなく、"are not"や"is not"の代わりにも使われます。

ここで”ain't”は”is not”の代わりに使われています。

 

また動詞(この場合はis=be動詞)から始まる文章は命令形というのが学校で習う文法の基本ですが、

この場合は”ain't”の前に”There”が省略されています。

(省略されていない箇所もありますが。)

 

それをふまえてこの文章を完全な形にするとこうなります。

 

“There is not no mountain high enough.”

 

しかしながらこれでも本当は文法的には不正確。

“not no...”は二重否定で、学校のテストで書いたら減点をくらいます。

ただしこういう場合の二重否定は「絶対にない」という風に否定の強調に使われています。

文法的に正しくないのは承知の上で、語気を強めるために使っているのです。

 

If you need me, call me

必要ならいつでも呼んで

No matter where you are

あなたがどこにいようとも

No matter how far (Don't worry, baby)

どんなに遠くにいようとも(心配いらない)

 

“no matter + 疑問詞”で

「(例え)○○であろうとも」「○○に関係なく」

 

Just call my name

ただ名前を呼んで

I'll be there in a hurry

急いで行くから

You don't have to worry

心配いらない

Cause baby there

だってそこには...

 

Ain't no mountain high enough

高すぎる山はない

Ain't no valley low enough

深すぎる谷もない

Ain't no river wide enough

広すぎる川もない

To keep me from getting to you, babe

あなたのもとへ行くのを邪魔するものは(何もない)

 

サビの最初の3行にはいずれも同じ表現が使われています。

“no + 名詞 + 形容詞 + enough(十分に)”です。

 

直訳すると、「十分に高い山はない」「十分に低い谷はない」「十分に広い川はない」

 

更にこれを最後のラインと合わせて直訳すると、

「私があなたのもとへ行くのを止めるのに十分に高い山はない、(以下省略)」

となります。

 

意訳すると、

「どんなに高い山も私があなたのもとへ行くのを止められない」

という感じです。

 

Remember the day

あの日を覚えていて

I set you free

僕が君を自由にして

I told you you could always count on me, darling

いつでも僕に頼って良いと伝えた

From that day on, I made a vow

あの日から誓いを立てている

I'll be there when you want me

君が望むならそこへ行く

Someway, somehow

どんな方法を使っても

Oh baby there

そこには...

 

Ain't no mountain high enough

高すぎる山はない

Ain't no valley low enough

深すぎる谷もない

Ain't no river wide enough

広すぎる川もない

To keep me from getting to you, babe

あなたのもとへ行くのを邪魔するものは(何もない)

 

Oh no, darling

ああ愛しい人

 

No wind, no rain

どんな風も、どんな雨も

Nor winter storm

どんな吹雪も

Can't stop me, baby

私(僕)を止められない

 

No, no baby

ああ愛しい人

 

Cause you are my goal

だってあなたが私の目的地だから

 

If you're ever in trouble

何か問題が起きたら

I'll be there on the double

大急ぎで駆けつける

Just send for me

ただ僕(私)を呼んで

 

Oh, baby!

 

My love is alive

私の愛は生きている

Way down in my heart

心の奥底で

Although we are miles apart

何マイルも離れているけれど

 

If you ever need a helping hand

助けが必要なら

I'll be there on the double

大急ぎで駆けつける

Just as fast as I can

最大限の速さで

 

Don't you know that there...

ねえ知らないの?そこには...

Ain't no mountain high enough

高すぎる山はない

Ain't no valley low enough

深すぎる谷もない

Ain't no river wide enough

広すぎる川もない

To keep me from getting to you, babe

あなたのもとへ行くのを邪魔するものは(何もない)

 

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