Tell Me Mama / Tony! Toni! Tone!

テル・ミー・ママ / トニー・トニー・トニー


 こんにちは、エリーです。2022年10月9日。札幌のソウルバーMAYBEの充さんが亡くなって3年と1ヶ月。今月も充さんの想い出ソングの和訳をお送りします。

 

 今回選んだ曲は、Tony! Toni! Tone!(トニー・トニー・トニー)の "Tell Me Mama(テル・ミー・ママ)" です。この曲は2ヶ月前に紹介したジャクソン・シスターズの "I Believe In Miracles" と同じく、充さんがラジオ出演した際にかけていた曲のうちの一曲です。

 

 最初に聴いた時、「メロディラインもリズムも素敵な曲♪さすが充さん♪」と思って「ひと耳惚れ」しました。でもよくよく聴いてみたら歌詞の内容は浮気して女性に捨てられて追いすがるヒモ男の話で、しかも追いすがっているくせに反省はポーズだけで全く悪びれていないというのがバンバン伝わってくるし、更に自分が愛されキャラだということを自覚している性質の悪い奴で...それが何かすごく可愛くて...(笑)。またこのドロドロの修羅場感を軽快なリズムとライトなメロディラインと歌声で煙に巻いている感じが何とも言えず良いのです。

 

 決して自分がダメンズ好きだとは思いませんが、こういうトラップってドキドキして甘い匂いがするんですよね...(*´艸`*)

 

 この曲では相手の女性を "mama(ママ)" と呼んでいますが、これは自分の母親に対する呼びかけではなく、長年連れ添った相手に親しみを込めて「おかあちゃん」と呼ぶような感覚です。もちろん子を持つ両親として「パパ」「ママ」と呼び交わす場合も考えられますが、この曲の内容からして子供がいたとは考えづらいところです。私がかつてホームステイしていたアメリカ南部の家庭では、ホストファザーがホストマザーのことをやはり "mama(ママ)" と呼んでいました。ちなみにお兄ちゃん(ホストブラザー)がママを呼ぶ時は "mom(マム)" でした。

 

 この曲が充さんの人となりを一部でも表す曲であるかどうかは聴く人の判断にお任せするとしましょう(笑)。少なくとも私には、「優しくてかっこいいお父さん風」の顔しか見せなかった人なので、私の中にはこんな充さんのイメージはありません。あ、でもそう言えば充さんは人前で奥様のことを「おかあちゃん」と呼んでいた記憶が。そこだけは、まあ、ぽいかな?

 

 ねえ、充さん。この前、元MAYBEのスタッフのOsamuさんとお話ししてて、彼が言ったの。「なんかね、充さんしばらく会ってないなぁくらいにしか感じないんですよね」って。私それを聴いて、もうそれで良い気がしてきたよ。だって最後に会ってからもう4年以上経っているのに、それもつい最近だった気がするから。どこか遠いところに、レコード探しに行ってるのかな。素敵な曲を見つけたら、また教えてね。

 

 

Tell Me Mama / Tony! Toni! Tone!


Tell me, mama, where did we go wrong?

教えてよママ、僕たちどこで間違えたの?

Tell me, mama, can we work things out again?

教えてよママ、僕たちまた元に戻れる?

Where in the hell did we ever go wrong?

僕たち一体どこで間違えたんだろう?

Should have bought you roses each and every day

毎日君にバラを買ってくればよかった

 

Should have thought about it first

これを最初に考えるべきだった

At times I want a shiny curse

まばゆい呪いを求めてしまう時

But now I'm feeling so down 'til it hurts

でも今は痛みを感じるほどに辛いんだ

The turn I took was for the worst

最悪の道を選んでしまった

I'm tired of chasin' mini-skirt

ミニスカートを追いかけるのには疲れちゃったよ

I tell myself I can't believe that you left

君が出て行ってしまったなんて信じられないと自分に言い聞かせてる

Tell me, mama

教えてよ、ママ

 

2行目の "shiny curse(シャイニー・カース)" と似た単語に "sheeny curse(シーニー・カース)" という単語があります。

"sheeny" は「ピカピカの、光沢のある」という意味ですが、

スラングとしてユダヤ人を侮蔑する意味があるとされています。

私の想像ですが、お金持ちのユダヤ人とピカピカのイメージをかけて揶揄しているものかと。

 

"sheeny curse" はユダヤ人がかける呪いとされていて、

その呪いにかかると一年間お金に困るというもの。

この点では常にお金がないこの曲の主人公の状況にも当てはまるような気がします。

 

そのため一瞬これは "shiny" なのか "sheeny" なのか悩みましたが、

聴く限りでは「シャイニー」と歌っているようです。

また"sheeny" はかなり強烈な差別用語のようなので、

公民権運動前の時代のアメリカならいざ知らず、

1993年リリースのこの曲に使うには時代的にかなり違和感がありますし、

ここは “shiny” と考えて良いかと思います。

 

そしてこの場合の "shiny curse" の意味は、

まばゆい呪い

=魅力的だけれども手を出してはいけないもの

=浮気

ということになるのかなと。

 

 

Tell me, mama, where did we go wrong? (Mama)

教えてよママ、僕たちどこで間違えたの?

Tell me, mama, can we work things out again?

教えてよママ、僕たちまた元に戻れる?

(Why don't you tell me, mama)

(ねえ教えてよ、ママ)

Where in the hell did we ever go wrong?

僕たち一体どこで間違えたんだろう?

(Where did we go wrong?)

(どこで間違えたの?)

Should have bought you roses each and every day

毎日君にバラを買って来ればよかった

 

We carved our names in a tree

木にふたりの名前を彫ったよね

No one to blame but me

悪いのは他の誰でもない、僕だ

I know I should have been on my J-O-B (Mama)

僕は僕の役目を果たすべきだった(ママ)

Don't mean to sound like a wimp

女々しいこと言うつもりはないんだ

I played the role of a pimp

僕のしていたことはヒモだった

I don't know what it was that took over me

何が僕にそうさせていたのか分からないんだ

Tell me, mama

教えてよ、ママ

 

Tell me, mama, where did we go wrong?

教えてよママ、僕たちどこで間違えたの?

(Where did we go wrong?)

(どこで間違えたの?)

Tell me, mama, can we work things out again?

教えてよママ、僕たちまた元に戻れる?

(Mama, maybe we can work things out again)

(ママ、元に戻れるんじゃないかな)

Where in the hell did we ever go wrong?

僕たち一体どこで間違えたんだろう?

(Where did we go wrong?)

(どこで間違えたの?)

Should have bought you roses each and every day

毎日君にバラを買って来ればよかった

(Why don't you tell me, mama)

(ねえ教えてよ、ママ)

Tell me, mama, where did we go wrong?

教えてよママ、僕たちどこで間違えたの?

(I don't know, I don't know, girl)

(わからない、わからないよ)

Tell me, mama, can we work things out again?

教えてよママ、僕たちまた元に戻れる?

(Maybe we can work this out again)

(元に戻れるんじゃないかな)

Where in the hell did we ever go wrong?

僕たち一体どこで間違えたんだろう?

(Where did we go wrong?)

(どこで間違えたの?)

Should have bought you roses each and every day

毎日君にバラを買って来ればよかった

(Why don't you, why don't you tell me, mama)

(お願いだよ、お願いだから教えてよ、ママ)

 

4行目の "maybe we can work things out again" の "maybe" について。

 

不確かなことを表現するのに使われる英語の代表格は以下の3つで、

それぞれ表現する確率(可能性)が異なります。

"perhaps(50%未満、もしかすると)"

"maybe(半々、たぶん)"

"probably(50%以上、おそらく)"

 

"maybe" は可能性は半々でどちらとも言えない場合に使いますが、

間違いなくこの主人公はそれ以上の可能性を確信して使っていて、

ズルいなぁという感じです(笑)。

 

充さんのお店の名前でもあったMAYBE。

充さんは「"maybe" は前向きな "たぶん"」と言っていました。

 

 

Yeah, I still count the days and the hours that we've been apart

離れ離れの日々と時間をまだ数えてる

But yet and still, I find it hard to believe that two people that were so close can be oh so far

なのにまだ、あんなに近かったふたりがこんなに離れてしまっていることが信じられないんだ

You see, what we had was genuine

わかるだろ、僕たちの関係は本物だったんだよ

Yeah, it was real, so tell me, mama (Tell me, girl)

そう、本物だったんだ、だから教えてよ、ママ

Can we restore the relationship we had?

以前の関係を取り戻せるかな?

I guess it's true what they say:

あの言葉は真実だったんだよね

You don't miss a good thing until you've lost it

大切なものは失ってから気づくって

But if I could turn back the hands of time

でも時間を巻き戻せたとしても

Losing you would be the furthest thing from my mind

君を失うことなんて考えもしないよ

Huh, ball's in your court, baby (Tell me, girl)

ああ、ボールはキミのコートの中だよ、ベイビー

Tell me, mama, huh; tell me, mama

教えてママ、教えてママ

 

※サビくりかえし中略

 

Yeah yeah, got to have you

君に側にいて欲しい

Really need you

本当に君が必要なんだ

 

コメント: 0