Street Life / Randy Crawford

ストリート・ライフ / ランディ・クロフォード


 

 こんにちは、Ellieです。2019年9月24日。今回紹介する曲は、Randy Crawford(ランディ・クロフォード)の Street Life(ストリート・ライフ) です。

 

 この曲はMAYBEで充さんがよくかけていた曲で、この曲が使われている映画の話を楽しそうにしてくれたりと、これまた思い出深い一曲です。

 

 この曲を聞いて思い出すのが、充さんが少し酔ってリラックスした笑顔で満足気に主人に何度か話していたこと。

 

「みんなに、『よくこれだけ長く商売続けてるね、すごいね』って言われるんだけどさ。俺はこの生き方しかできないだけなんだよ。」

 

 その生き方が充さんと親交のあったすべての人にどれだけの勇気と元気と影響を与えていたか、彼の人はわかっていたのかなぁ。もっといろいろ話したかったなぁ。

 

 歌詞のように人生をplay awayしてしまった充さん。この曲に劣らないカッコイイ生き様を見せてくれた充さん。私もカッコイイ人生を送るぞという決意を込めて、この曲を贈ります。

 

 

Street Life / Randy Crawford

 

I still hang around neither lost nor found

私は相変わらずふらふらしていて

迷子になってもいなければ誰かに見つけられてもいない

Hear the lonely sound of music in the night

夜は音楽の孤独な音が聞こえる

Nights are always bright

夜はいつもまぶしい

That's all what's left for me, yeah

私に残されたのはそれだけ

 

I play the street life

私はストリートライフを送っている

Because there's no place I can go

だって他に行けるところがないから

Street life, it's the only life I know

ストリートライフ それは私が知っているただ一つの生き方

Street life, and there's a thousand cards to play

ストリートライフ そこにはたくさんの選択肢がある

Until you play your life away

あなたが人生を使い切るまでね

 

You let the people see, just who you wanna be

自分がなりたい自分を人に見せて

And every night you shine just like a superstar

あなたは夜ごとスーパースターのように輝く

That’s how the life is played a ten cent masquerade

安っぽい(10セントの)仮装、人生ってそういうもの

You dress and walk and talk

あなたは着飾って歩いて話して

You're who you think you are

自分がそうありたいと思う姿があなた自身

 

Street life, you can run away from time

ストリートライフ 時間から解放される

Street life, for a nickel, or a dime

ストリートライフ 5セントか10セントで

Street life, but you better not get old

ストリートライフ でも年はとっちゃだめ

Street life, or you're gonna feel the cold

ストリートライフ 冷たさが身に染みるから

 

There's always love for sale

安売りの愛はいつでもある

A grown-up fairy tale

大人のおとぎ話では

Prince Charming always smiles behind a silver spoon

王子様が銀の匙の向こうで微笑む

And if you keep it young

若さを保っていられれば

Your song is always sung

あなたの歌は歌われ続ける

Your love will pay your way beneath the silver moon

銀色の月の下あなたのその愛があなたを養ってくれるでしょう

 

Street life, street life, street life, oh street life...

 

  

 ここからは歌詞の内容について解説します。

 

 タイトルの Street Life という表現にはふたつの意味があります。ひとつは読んだまんまの「路上生活」という意味。もうひとつは、「街中の日常」という意味です。後者の場合は「住宅が立ち並ぶ道の上にある、人々の日常の生活」という意味になります。

 

 それではこの場合の Street Life はどちらの意味かという点ですが、私は両方の意味を含んでいると解釈します。その根拠は先日偶然発見した、この曲の作曲者であるJoe Sample氏のインタビューでの発言です。

 

He went up a mountain to write Street Life. Sample was on the ski-lift up Mammoth Mountain, California, when he peered down between his knees at the crowd thronging the streets below. "It must have been thanksgiving or some sort of holiday because there were tens of thousands of them pushing and shoving, and me up there in the cold watching through my ski poles, and it just popped into my head: street life."

 

https://www.telegraph.co.uk/culture/music/rockandjazzmusic/3562586/Randy-Crawfords-journey-from-Street-Life-to-sweet-life.html

 

彼はStreet Lifeを書くため山に登りました。サンプル氏が膝の間から人で溢れる街(道)を見下ろした時、彼はカリフォルニアにあるマンモス山のスキーリフトに乗っていました。「あれは感謝祭か何かの休日だったと思います。数万人の人々が街に出ていました。それに対して私は寒さの中にいて、スキーストックの間からそれを見ていた。それでひらめいたんです。street lifeだって。」

 

 つまりこの曲は、サンプル氏がその日遠目に見た一般的な集団の日常を描写しつつ、その日の彼がそうであったように、主人公はそこから少し外れ距離を置いた「路上生活者」のような存在であるという、2つの意味の street life を描いた曲なのです。

 

 この Street Life の二面性は、歌詞の中で主語が I となっている箇所と You となっている箇所の内容の違いに注目するとより明確に見えてきます。

 

 歌詞前半は主語が I つまり「私」です。自分が主語なのは7行目の「それは私が知っているただ一つの生き方」まで。ここまでの歌詞は主人公があまり多くを持たない生活を送っている印象を与えるものであり、群衆から距離を置いていることを思わせる内容です。

 

 8行目以降の主語は You です。この場合は特定の「あなた」を指しているのではなく、群衆全体に向けた「あなた」であり、不特定多数の中でこの歌を聞いているひとりひとりの「あなた」です。You が主語の箇所では、集団の中での生き方について皮肉を込めて語られています。

 

 ”Street Life”は、集団の中で自らを偽って生きて行くのか、そこから飛び出して自己責任で自分らしく生きることを選ぶのか、どちらが幸せなのかを問いかける、とても力強い曲だと私は感じています。

 

コメントをお書きください

コメント: 4
  • #1

    れん (月曜日, 21 11月 2022 00:27)

    この曲に救われた晩でした。そしてふと
    歌詞を口ずさもうと検索して、たどり着きました。

    和訳だけでなく、背景まで、ありがとうございます。

  • #2

    Ellie (月曜日, 20 3月 2023 19:20)

    れんさま、コメントありがとうございます。

    返信が遅くなり大変申し訳ありません。

    気に入っていただけて光栄です。ぜひまたご訪問くださいませ。

  • #3

    ノブ (水曜日, 20 9月 2023 09:16)

    もう、40年以上?前に聞いて人生の終末期にあらためて見直される深い意味に納得しました。やはり、自分は踊っていたのかもしれないと。でも、それが人生そのもののようにも感じる今日この頃です。古希を迎えて。

  • #4

    Ellie (水曜日, 20 9月 2023 12:11)

    ノブさま、コメントありがとうございます。

    古希おめでとうございます。年月を経て同じ作品を以前と異なる風に感じることができるのも、このような名作の楽しみ方ですよね。私も、踊れるうちに踊っておきます(*^^*)