War / Edwin Starr

ウォー(黒い戦争) / エドウィン・スター


 こんにちは、Ellieです。2021年8月9日。札幌のソウルバーMAYBEの充さんが亡くなってから23回目の月命日となりました。来月で2年。時間の流れが速すぎる...

 

 新型コロナウイルスの感染拡大は止まらず、札幌にもまたまん防止が出ました。先日、以前から交流のあった充さんのお弟子さんと引越してからやっと会うことができて、色々な話ができてすごく楽しくて嬉しくて。それで元MAYBEの店舗で一番弟子さんがやっている牡蠣屋さんに行こうとやっと思えて、行こうと計画していた8月2日からまん防適用でお店が休業になってしまい...(T_T)

 

 東京に住んでいた頃は特に行きたい場所もなかったので緊急事態宣言もまん防も全然気にせず主人と楽しく家にこもっていましたが、大好きな札幌で外出を控えなければならないのは辛いです。まあ外出できたところで行きたいお店がやっていなければ楽しくもないのですけれど。

 

 さて、今月は Edwin Starr の “War” を紹介します。War(戦争)、というタイトルの通り、この曲は戦争をテーマにした曲で、ベトナム戦争の反戦歌です。8月の更新日(8月9日)は長崎に原爆が投下された日であり、また終戦記念日に近いこともあり、これを選びました。

 

 今回この曲のリサーチをする中で知ったのですが、Edwin Starr の曲というイメージが強いこの曲は実はテンプテーションズがオリジナルなのだそうです。英語版ウィキペディアの情報によると、これはテンプテーションズが1970年3月にリリースしたアルバムの一曲で、発売後にシングルリリースの要望が多数あり、同じ年の6月に Edwin Starr がシングルリリースしています。テンプテーションズでシングルリリースしなかった理由は、レーベル側がテンプテーションズの保守派のファン(戦争賛成派)が離れるのを防ぎたかったからだとか(大人の事情...)。せっかくなので動画は両方載せておきます。

 

 とてもストレートで力強い言葉で声高に戦争批判をする強烈なメッセージソングでありながら、音楽、リズム、歌詞の内容や韻の踏み方が音楽作品として完成されている心震える一曲です。Stevie Wonder(スティービー・ワンダー) の Happy Birthday(ハッピーバースデー) や Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ) の What’s Going On(ホワッツ・ゴーイング・オン / 愛のゆくえ) 同様に、「曲がいい」や「リズムがいい」だけでなく、ぜひ歌詞の意味も知って欲しい名曲です。

 

 ねえ、充さん。前に充さんが「一番迷惑をかけた弟子」って言ってた彼に会ってきたよ。充さんの昔話をたくさん聞けて楽しかった。充さんがいなくて寂しいって気持ちを無理に隠さないで充さんの話ができて嬉しかった。でもまだ、充さんいなくなった実感がわかないんだ。まだこの街のどこかにいる気がしちゃう。もうすぐ2年なのにね。困ったな。

 

 

 

 

 

War / Edwin Starr


(War, huh) Yeah!

(戦争、ああ)そうだ!

(What is it good for?) Absolutely nothing, uhuh

(何のためになるんだ?)良いことなんてひとつもない

“it is good for 〇〇”で、「〇〇にとって良い、役に立つ」という意味。

“It is good for you.(あなたにとって良いことだよ)”

という風に使います。

“absolutely”は「絶対に、完全に、まったく」という意味で、

何かを強調する時に使います。

この場合は”nothing(何もない)”を強調しています。

(War, huh) Yeah!

(戦争、ああ)そうだ!

(What is it good for?) Absolutely nothing

(何のためになるんだ?)良いことなんてひとつもない

Say it again, y'all!

もう一度言おう、みんな!

(War, huh) Look out!

(戦争、ああ)気をつけろ!

(What is it good for?) Absolutely nothing

(何のためになるんだ?)良いことなんてひとつもない

Listen to me, awwwww!

聞いてくれ

 

War, I despise

戦争を俺は嫌悪する

'Cause it means destruction of innocent lives

無垢な命を奪うからさ

War means tears to thousands of mothers' eyes

戦争で数千人の母親たちが涙を流す

“mean”は動詞で「〇〇を意味する」という意味です。

直訳は「戦争は数千人の母親たちの目に涙をもたらすことを意味する」

When their sons go out to fight and lose their lives

息子たちが戦争に赴き命を落とすのだから

この”when”は疑問詞(いつ)ではなく関係詞(○○する時)。

直訳は「息子たちが戦争に赴き命を落とす時」

I said

だから言っただろ

 

(War, huh) Good God y'all

(戦争、ああ)ああ神よ

(What is it good for?) Absolutely nothing, say it again

(何のためになるんだ?)良いことなんてひとつもない、もう一度言おう

“say it” がなぜ「言う」ではなく「言おう」なのかと言うと、

動詞の原形で始まる文章は命令形(指示やお願い)だからです。

特にこの曲はコーラスとの掛け合いが特徴なので、

コーラス側に語りかけているという感じです。

(War, huh) Lord, lord, lord, lord

(戦争、ああ)主よ、主よ、主よ

(What is it good for?) Absolutely nothing

(何のためになるんだ?)良いことなんてひとつもない

Listen to me!

聞いてくれ!

 

(War), It ain't nothing but a heartbreaker

(戦争)それは悲しみ以外の何ものでもない

“heartbreaker”は「胸を痛めるもの、心を砕くもの」

ここから転じて「悲しみ」と訳しました。

(War), Friend only to the undertaker, awwww

(戦争)葬儀屋だけの友人だ

War is the enemy of all mankind

戦争は人類すべての敵

The thought of war blows my mind

戦争のことを考えると頭がおかしくなる

“blow”は「吹き飛ばす」

直訳は「戦争について考えることは頭の中を吹き飛ばす」

War has caused unrest, within the younger generation

戦争は若い世代に不安をもたらした

Induction then destruction

徴兵そして破壊を

“generation, induction, destruction”と、

それぞれ最後の”-tion”で続けて3回も韻を踏んでいます。

カッコイイ!(*´▽`*)

Who wants to die?

死にたい奴がいるか?

Awwww!

ああ!

 

(War, huh) good God y'all

(戦争、ああ)ああ神よ

(What is it good for?) Absolutely nothing, say it, say it, say it

(何のためになるんだ?)何も良いことなんてひとつもない、言ってくれ

(War, huh) Oh-ohh yeah, huh

(戦争、ああ)ああ、そうだ

(What is it good for?) Absolutely nothing

(何のためになるんだ?)何も良いことなんてひとつもない

Listen to me

聞いてくれ

 

(War), It ain't nothing but a heartbreaker

(戦争)それは悲しみ以外の何ものでもない

(War), It's got one friend, that's the undertaker, awwww

(戦争)そのただひとりの友人は葬儀屋

War has shattered many young men's dreams

戦争は多くの若者の夢を打ち砕いた

Made them disabled, bitter and mean

彼らに障害を残し、冷酷で卑劣な人間にした

Life is much too short and precious to be fighting wars these days

戦争をするには人生は短く貴重すぎる

“too + 形容詞 + to + 動詞”は中学校で習う、日常会話でも頻出構文です。

意味は「○○(動詞)するには●●(形容詞)すぎる」

または「●●すぎて〇〇できない」です。

更にここでは動詞がbe動詞の原形になっていて、

その後に”動詞原形-ing”で現在進行形の形を取っています。

つまり直訳は、「今戦争をしているには人生は短く貴重すぎる」

「人生は短すぎて今戦争をしていることはできない」となります。

War can't give life, it can only take it away, awwww!

戦争は命を与えることはできない、命を奪うことしかできない、ああ!

 

(War, huh) Good God y'all

(戦争、ああ)ああ神よ

(What is it good for?) Absolutely nothing, say it 

(何のためになるんだ?)良いことなんてひとつもない、さあ言おう

(War, huh) Lord, lord, lord, lord

(戦争、ああ)主よ、主よ、主よ

(What is it good for?) Absolutely nothing

(何のためになるんだ?)良いことなんてひとつもない

Listen to me

聞いてくれ

 

(War), It ain't nothing but a heartbreaker

(戦争)それは悲しみ以外の何ものでもない

(War), Friend only to the undertaker, woooo!

(戦争)葬儀屋だけの友人だ

Peace, love and understanding

平和、愛、そして理解

Tell me, is there no place for them today?

教えてくれ、こんなものが入り込む余地は今はもう無いのか?

直訳は「これら(平和、愛、理解)のための場所は今はないのか?」

They say we must fight to keep our freedom

奴らは自由を守るために戦わなければいけないと言う

ここでの”they(奴ら)”は戦争を続ける政府や賛それに同する国民など。

But Lord knows there's gotta be a better way, ooohhh

でも主はもっといい方法があるはずだと知ってるさ

“there’s gotta be”の本来の形は”there has got to be”

意味は「○○であるはず/○○であるべき」

どちらの意味で捉えるかは文脈で変わります。

 

(War, huh) Good God y'all

(戦争、ああ)ああ神よ

(What is it good for?) You tell me, say it, say it, say it, say it

(何のためになるんだ?)教えてくれ、言ってくれ

(War, huh) good God y'all

(戦争、ああ)ああ神よ

(What is it good for?) Stand up and shout it

(何のためになるんだ?)立ち上がって叫ぶんだ

(Nothing)

(何のためにもならない)

 

 

コメント: 1
  • #1

    マコト (土曜日, 11 11月 2023 04:23)

    ウクライナ、中東…
    今こそこの曲を歌ってほしい
    メジャーな方に